70日を超えて初めて妻と北山公園に。
この5年間、冬になると毎週のように登りにいくが、文句など言ったことがないし、むしろ「頑張ってね」と送り出してくれる妻には感謝しかない。
そして毎週帰ってきたら「登れた?」と聞く前向きさは見習いたい。ただ、こんなに打ち込んでいる課題を登ったときに、いつもと同じ表情で帰るはずはない。そもそも登れたら一番に報告する人だ。
アゲハの前に着くと、サムさんに遭遇。珍しいことが続くものだ。懐かしい顔にテンションが上がる。
いつものようにアップを済ませると、アゲハに取り付く。妻がいると何か変わるかとも思ったがいつもどおり。
相変わらず1トライ目は指に痛さを思い出させるだけ。
それでも感覚として調子がいいことが分かる。
2トライ目、3トライ目とリップを叩くトライが続く。
4トライ目。
登れる姿を見せたいといつも以上の気合で挑む。
スムーズに進む下部。左カチも持てている。身体の位置も高い。タメも作れている。
届く!そう思って手を出すと完全にリップを捉えた。
左足も右足も残ったが、右手があえなく離れる。
今シーズン一番惜しいトライ。
やはり今日はいつもと違うのではないか。
テンションが上がってトライを続けるが4トライ目を超える登りはできない。
結局、妻の声援を借りても登れなかった。
悔しいという気持ちが湧き上がってくる。少なくなってきていた感情。
やはり何としてでも登りたい。