北山アゲハ

忘れないために、忘れるために、振り返る

day60

2020/3/7

シーズン終わりが近く、月光岩は触らずにアゲハを登ることに集中すると決めて北山公園に。
60日目。日数の10の位が増えるとやはり意識をしてしまう。
北山公園のシーズンは12月から3月の4ヶ月間。年間15回登りに来ていると思うと、ほぼ毎週来ていることになる。
そもそも雨で登れていない日がないことが奇跡的だ。

それでも登れない。このまま3桁になってしまうのではないだろうか。
そんな不安を抱えながら藤原さんと今日もアゲハに向かう。

いつものように左カチまでは進むも、左手出しの精度があがらない。
左手を出す前に身体を上げていこうとするが、上がりきらない。リップが遠く感じる。

リップを止められる。そう信じて左手を出すことが難しい。でもできると思ってやらないと、できるはずがない。
不安や迷いを抱えていてできるほど甘くはない。

最近は、一日に1回か2回止められると信じて、左手を出すことができるようになってきた。それでも止まらない。

今日も最後と決めたトライで、できると思って出した手が止まらなかった。
またしても心が打ち砕かれる。自信がなくなる。そして指皮もなくなる。

シーズンが始まったときには登れると過信していた。今は3月。もうすぐシーズンが終わる。
今年もダメだったか。

2年目からインスタに投稿し続けているアゲハ。ほぼ同じ写真が載っているだけなのに、最近は色々な人が応援してくれるようになった。

ジムで会うと頑張ってと声をかけてもらえる。
おかげでモチベーションが保てているし、応援に応えてたいという気持ちも湧いてきた。

クライマーだからこそ、60日という数字の異常が分かるのかもしれない。普通のボルダリングでは考えにくい。
そういう意味では先週ハイカーが僕を見て「ボルダリングみたいなことをしている。」といっていたのはある意味正解かもしれない。

色んな人達の応援で保てていたモチベーションは、シーズン終盤でもう枯渇しそうだ。
リップに手を出しては止まらずに自信を失い、指皮が裂けるたびに絶望する。30も半ばになって何をしているのか。

今年の冬は暖かい。北山のシーズンは早く終わるだろう。来週は東京でアゲハはお休み。その先は登れるのだろうか。

今シーズンは気合を入れて望んだ分、その反動は大きく、燃え尽きてしまった。

それでもアゲハに登りたい。
この気持ちだけは変わらない。もっと強くなって来年こそ岩の上に立つ。