北山アゲハ

忘れないために、忘れるために、振り返る

day19

2017/12/10

東京から戻ると完全にシーズンインの空気感のある北山公園に。今日も福田さんとアゲハに向かう。

前回の学習通りスタートから精度を高めていく。
やっているうちに初手を取りにいく安定感が増してきた。カンテは触らなくても取れるのではないか。
身体を岩にくっつけることを意識し続けることが重要。

左足もあがるし、今日はいい感覚。
持てない左カチのホールディングを探る。

いつものように福田さんと合間の雑談をしていると、アゲハに参戦する人が現れた。

北岡さん。
小柄でカチの保持感がすごい人。
初手取りの感じでスタートの左の持てている感じが伝わってくる。そしてつま先しか残っていないほどピンピンなのに安定している。

左カチも持てている雰囲気。
でもリーチ的に直接左出しはさすがに届かないのではか。右手あげるにしても右足残らないのではないか。

「かなりキツいやろなー」と思って見ていると、左カチをめっちゃひいて左足に乗り込んでいく。

「そんなに左カチ持てるのか」
そう思った瞬間だった。

右手。

まさかの右手がリップをはたいた。
惜しくも落ちたものの確かに届いていた。

北岡さんの表情も明るくなる。いけると確信している雰囲気。

数トライ後。
また左カチをひいて乗り込んでいる。
さっきより深く乗りこめている。
一気に立ちあがると右手で的確にリップを捉えた。その瞬間左手は切れて身体が振られかけていたのだが、強靭な体幹で捻じ伏せると、戻ってきた左手で岩を押さえる。

完登。

福田さんも僕も呆気にとられていた。

こんな登り方があるのか。
そんなに左カチが持てるのか。

自分に合ったムーブで登っていて本当にかっこいい。

少し試してみたが、そもそも左でほぼひけないのですぐさま諦めた。

初めて目の前でアゲハの完登を見て、やる気が湧いてくる。

この日はリップ右出し凄いなという話でひたすら盛り上がる。